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BONSAIちえ

豆松屋山崎ちえの盆栽日記

植え替えスタート!さて、どれからやりましょう。

皆様、こんにちは(^^) いかがお過ごしでしょうか?
自粛ムードの中、自宅で盆栽作業してますか?こちらも元気に盆栽植え替えしております。

しばらく家を開けていたので、久しぶりに棚場の前に立つと・・・やること盛り沢山で途方に暮れてしまいますね。今週から植え替えスタートです。暖冬なので、新芽の芽吹きが例年より早いです。

新芽が動いているものから植え替えスタート

植え替えが早い樹種は、野バラ、楓、雪柳、あけびなど、新芽の芽吹きが早いものから。
今週私が植え替えたのは、野バラ、モミジ、まゆみ、黄梅、かいどう、金露梅、庭梅です。
地域や置き場所の環境によって、芽吹きが進んでいるものもあるので、樹の様子をみながら進めましょう。
 

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植え替えたまゆみ。新芽が膨らみ、絶好の植え替えタイミングです。

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金露梅、庭梅、野バラ、モミジ、海堂など、植え替えたもの。

芽吹きとは、新芽が出始めること

今まで固く茶色かった芽が、暖かくなってくると、緑色になって膨らんできます。
いよいよ新芽が出るぞ!という時が、植え替えのベストタイミング。
新芽が出て、柔らかい葉が開ききる前に植え替えましょう。

新芽が動く時は、根も動き始めている

盆栽の植え替えは、根を半分以上切るという過酷な作業をします。
なので、根を切った後でも、すぐに新しい根が出てくれるタイミングが好ましいです。

芽が伸びてやわらかい葉が広がる前までに植え替えたい

葉が広がってしまうと、樹が水を吸い上げる量が増えます。
一方、根を切ると水を吸い上げられる量が落ちるので、やわらかい葉が広がっている時に根を切ると、水切れを起こして新芽が傷む心配があります。

 葉が広がってしまった!植え替えタイミングを逃したら・・・

  • モミジやカエデなど、葉もの盆栽は、5〜6月に「葉刈り」か「葉透かし」(葉の量を減らす)をして、植え替えましょう。葉がしっかりして樹が力をつけてから、その葉を減らして植え替えれば大丈夫です。
  • 花もの・実もの盆栽は、葉刈り(葉を元から切る)をすると来年の花芽をつけなくなります。「葉切り」(葉の大きさを小さく切る)をして、水切れを防いでの植え替えになります。もしくは、秋の植え替えにしましょう。
  • 松柏類は、新芽が固まった秋の植え替えを検討しましょう。五葉松は8月も可能です。真柏や黒松は、実はいつでも大丈夫です。

 
植え替えタイミングの目安は?

新芽が動くタイミングが樹種により異なります。
大まかな植え替えタイミングは以下のような順番です(私の住む横浜を目安に書きますね)。

落葉雑木類(2〜3月)→松柏類(3〜4月)→常緑雑木類(4〜5月)※暖地性のもの

でも、例えばケヤキは芽吹きが4月ごろと遅めです。
それぞれの樹をよく見て、植え替えタイミングを見極めましょう。

あと、ピラカンサや寒グミなど、常緑だけれど芽吹きが早めのものは、2〜3月に植え替えています。ちなみに、常緑樹は、古葉を葉刈りしてから植え替えています。

松柏類や常緑樹も、新芽が伸びる前に植え替えましょう

芽が伸びる前が植え替えタイミングなのは、全ての樹種で共通です。
日々、変化する新芽の様子をよく見ておきましょう。

花ものの植え替えタイミングは?

梅が咲き終わりました。これから桜の花のシーズンですね。
花ものは、花が終わった後がベストタイミングです。
ただ、教室では花が咲く前に植え替えていますし、売店用も開花の前に植え替えていますが、元気に咲いてその後も大丈夫です。
古い樹、大事な樹は、花を楽しんでから植え替えてあげることをオススメしています。 

早めが吉◎

 元気のある樹なら、新芽が動く前に早めに植え替えても大丈夫です。時間がある時にバシバシ植え替えましょう。
ただし、寒さに弱い樹種(キンズ、椿、クチナシなど)は、暖かくなるまで待ってください。

元気がないなら無理しない

元気のないものは、無理に根を切る植え替えをせずに、葉が広がってから肥料を与えることも考えてください。 根を切ることは、樹にとって大きな手術のようなものですので、力をつけることが優先です。

植え替え頻度は?

だいたい2〜3年に1回です。水通りが悪くなったら、植え替え目安です。
根が張るのが早い、野バラ、カエデ、クチナシなどは毎年でもOK。
反対に、根の張りの遅い松柏類は3〜4年植え替えなくてもOKです。

植え替えはどうやるの?

過去記事がご参考になれば幸いです。

www.bonsaichie.com

 

 

「忙しくて植え替えできない!😭」と焦っている方へ

 ここ2〜3年、適期(適切な時期)以外の植え替えを試してみて思うことは、「寒さに弱いもの、花・実もの以外、いつでも植え替えて大丈夫かも」ということです。
これまでと言ってること違うと怒られてしまうかもですが、教室での植え替え要望が多く、自分でも色々と試しているところです。

特に黒松は、夏でも秋でも冬でも大丈夫でした。強いです。横浜は比較的暖かいからかもしれませんね。
適期外の植え替えは、樹が元気であること、若木であること、植え替えの固定はしっかりしていること、植え替え後の管理(置き場所、水管理)に気を遣うことなどが前提です。
そして、適期以外は、根を残す量を多めにしています。

もちろん、芽吹きのタイミングで植え替えた方が、根の回復と充実が1年を通してしっかりできるので、春の植え替えが安心なことには変わりません。

植え替えに追われる気持ちから解放されると、落ち着いて棚場を見渡せます。

前述しましたが、モミジやカエデは、葉透かしして5〜6月に植え替えてもかまいません。
(花・実ものの植え替えは、やはり芽吹き頃がいいですね。葉刈りすると花芽つかなくなりますので。)
長寿梅や椿など、6〜7月に植え替えた方が成績が良いものもあります。老爺柿は実がなってる9月とか、暖かい場所が好きな樹種は、気温が高い時に植え替えた方が良いですよね。
後回しにできるものは、暖かくなってからゆっくりやりましょう。 
それに、盆栽の苗木として作られているものなら、細かい根が多く作られてますから、適期以外でも意外と大丈夫ですよ。
焦らず、追われず、盆栽の手入れ作業は楽しんでいただきたいです(^^)。

植え替えずに、力をつけることも大切です。
植え替えをしないものは、不要な芽をかきとる「芽かき」や剪定、針金かけも行っておきましょう。
松柏類の針金かけこそ、新芽が伸びる前に終わらせたい作業なので、針金かけが優先でもいいですよね。
春の作業は植え替えだけではありません。
新芽が動き出すまでの間、枝がよく見えるこの時期に今後の枝づくりにワクワクする時期でもあります。樹の元気具合をみながら作業を行いましょう。

では、みなさま、よく寝て、よく食べて、盆栽楽しんで元気でいましょう٩( 'ω' )و
盆栽イベントの中止もあるものの、上野グリーンクラブの常設売店は通常通り営業してます。苗木など探しにいくのもいいですね。山崎の教室も、自己管理に気をつけながら今後も続けていきます。ご不安な時はお気軽に連絡ください。
ではでは!