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BONSAIちえ

豆松屋山崎ちえの盆栽日記

新芽が伸びたら、”芽摘み”と”芽切り”と”芽おさえ”

4月の半ば、今年は植物の動きが早く、花が終わったものは、もう新芽がぐんぐん伸びています。春になって無事に新芽が吹きはじめてホッとしたと思ったら、今度は枝がどんどん出てきて様子が変わって、驚きますよね🌱。

さて、伸びている新芽をどうしたらいいのか。
答えは、芽の伸びをおさえるです(^^)。

枝が伸び放題だと、樹の形を崩すし、枝が太ってゴツゴツします。
特にモミジやカエデ、ケヤキなどの落葉樹は、冬の葉がない姿でも細かく枝分かれした姿が美しいのです。

枝は、伸びるほどに太ります。
太らせたくない小枝は、伸びたら随時伸びを抑制します。
逆に、太らせたいと思っている枝はある程度の長さまで伸ばして、切ります。

 

さて、枝の伸びをおさえる作業は以下のようなものがあります。
名前にどれも”芽”がつくので、ごっちゃになりやすいですが、改めて並べながらご紹介したいと思います。

*芽摘み
*芽切り(黒松の芽切りは特殊ですが、要は同じ意味)
*芽おさえ
実は読んで字のごとくなので、あまり難しく考えないでください。笑
似た言葉の”芽かき”も載せておきます。

 

まず、芽摘み

「芽摘み」・・・新芽の先端をピンセットや手で摘みとること。

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イワシデの芽摘み

新芽の柔らかいうちは、ピンセットや手で簡単に摘みとれます。
伸びる先端を摘むと、そこで伸びが止まり、そこより下の芽が伸び出します。
伸びを抑えると同時に、さらに小枝が出るよう促しているのです。

芽摘みは、雑木類にも松柏類にも使う言い方です。
特に、モミジ、ケヤキなど葉もの盆栽は、1〜2節で芽摘みして伸びをおさえます。
サクラや姫リンゴなども、花芽を付けるため3〜4葉伸びたら、新芽の先を摘んで伸びを抑えます。
松柏類では、エゾ松や杜松など、柔らかい新芽が出てくるたびに1~2節で芽摘みします。

 

芽切り 

「芽切り」・・・伸びた芽を剪定ハサミで切ること。

黒松の芽切りは、6〜7月頃に新芽の元で切ることですが、これは長くなるのでまた今度。

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広瀬幸男著『はじめての盆栽の育て方』より

芽切りは、伸びて枝が太り、手では摘みとれなくなった新芽を、ハサミで切ることです。
芽摘みとやってることは同じなのですが、道具が違うので、呼び方が違うだけです。「剪定」とほぼ同じです。

どこで切るのかというと、
ほとんどの樹は、葉の脇(葉の付け根)に次の芽をもっています。
ですので、葉があるところ(節)の少し上で切れば、その下の芽が次に伸びます。

 

芽おさえ

「芽おさえ」・・・新芽の柔らかいうちに針金で伏せて、伸びを抑えて形を作ること。

枝が光を求めて上へ伸びようとするのを針金を巻いて伏せておくと、伸びる力を抑えられます。
柔らかいうちに曲げるので、枝が折れるなどの負担も少なくクセも付きやすいです。
ただし、柔らかい枝に針金をかけるときは、ふんわりと枝に沿うようにかけるので、意外と難しいものです。枝元から折ってしまわないよう気をつけます。
また、すぐに針金が食い込むので気をつけて見ておきます。

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十月桜の芽おさえ

サクラや梅などの花もの盆栽は、特に芽おさえをすると、枝の伸びを抑制しながら、花芽と葉芽を程よく枝につけられるのでオススメです。

芽かき

「芽かき」・・・不要な芽をピンセットなどでかきとること。

芽が枝として伸びる前に、かき取ってしまうことです。
枝になって剪定するとなると、どうしても切りキズになるので、そうなる前に一番小さなうちにとって、キレイな枝作りをするのです。

芽かきは、秋まで芽が出るたびに続きます。
ちなみに、黒松の芽切りをした後に出た「二番芽」を二芽残しにすることも、芽かきと言います。

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モミジの芽かき


新芽が伸びるのは、これからが本番

今年は伸び始めが早いですが、例年、6月頃までグングン伸びます。
新芽伸び放題にしてしまった時の後悔といったら・・・。
冬に葉を落としたときに、「ああ、なぜあの時もっとマメに芽摘みしなかったのか」と思うのです。
太った枝を細くすることは・・・できないのです。
切り戻すしかないのです。゚(゚´Д`゚)゚。

春から秋にかけて、樹の成長とともに、枝作りの季節です。
私と同じくマメな性格ではない皆さん、一緒にがんばりましょう。