春風展と盆栽教室が終わり、燃え尽きて帰宅すると旺盛に芽を出し始めている盆栽たちがたくさん。今年は特に例年より芽出しが早く、松柏類の植え替えが早くからスタートしています。
雑木類と同じように、松柏類も芽が動き出す頃が植え替えの適期。今まで葉の中で固くとじていた松の芽が膨らんで伸び始めています。
他にも、真柏やヒノキ、杜松や蝦夷松も新緑の芽が動いてますね。
真柏の植え替え時期はは人によって違い、4月が良いという人もいれば9月が良いという人もいます。いつでも大丈夫な真柏ですので、ジンを作るなど大きく枝の量を減らしたものは植え替えを行なっています。
植え替えスタート:冬に針金かけをしておいた黒松
新芽が伸び始めてから針金かけをすると、新芽を折ってしまうことがあるので、新芽が伸びる前に針金掛けを終えておきます。
ちなみに、写真の黒松の新芽が曲がってるのは、倒れた状態で棚場にあったので、太陽がある方向に向かって新芽が曲がりました。植物は太陽に向かって枝葉を伸ばすんですよね。なんか健気でかわいいです(^^)。また戻りますので、大丈夫。
根をほぐして切ります
根は雑木類よりは多めに残す感じ。雑木類が1/3残すのに比べ、松柏は2/3残す感じです。半分残しておけば問題なしです。
根元の土も全て落とすことはしません。グラつきやすくなるし、根の共生菌が残っていた方が健やかに育ちます。
水通りが悪いほど土がカチカチならば、根元の表面をかき出してやります。
黒松の共生菌
白いフワフワしたものが鉢内に充満しています。カビではないのでご心配なく。この状態ほど樹は元気です(^^)。
鉢に植え付け
松柏類は、通気性という実用性も兼ねて、釉薬のかかっていない焼き締め鉢に植えるのが一般的です。でも、釉薬鉢ではダメということはないので、ご自分のセンスでいい鉢に入れてください٩( ᐛ )و
土は、桐生砂や富士砂、矢作砂などの砂を赤玉土に混ぜて水はけ良くするのが一般的です。
が、赤玉土単体でも大丈夫です。手元に砂がなければ赤玉土だけでOK。
黒松や杜松は特に水が多い環境が好きなので、例えば、いつも風が強い棚場で乾くのが早い環境ならば、無理に水はけ良くしなくていいと思います。
その代わり、根詰まりと水通りの悪化がが早いですから、2〜3年に1回は植え替えて水はけの改善を頻繁にしてやります。
伸びすぎていた新芽は、枝の太りを抑えるために途中で折っておきました。
植え替え後は、日当たり風通しの良い屋外の棚場にて管理します。水通りが良くなったことで乾きが早くなるので、水切れしないように注意が必要です。
植え替え後の水切れ対策と土がこぼれるのを防ぐために水苔を表面に敷く人もいます。緑の苔を置いてもいいですし、ネットをかぶせてる人もいます。
補足:雑草は根の違いで見分けて取り除くべし!
「ワオ、根がびっしり」と思っても、よく見たらそれ、雑草の場合があります。笑
下の写真のピンセットでつかんでいる雑草から伸びている根が黒松の根と違いますし、その周りの白く細かい根も雑草のものです。
根をほぐして雑草を取り除くと、色や太さの違いなどよく分かります。
雑草は根が残るとそこから再び増えることもあるので、可能な限り取り除きます。
雑草があった方が鉢内の環境が自然に近づいて良いのでは?という方もいますが、私が思うのは、樹が弱った鉢ほど雑草が多く生えます。
樹が弱ることで鉢内の乾きが鈍り草が茂るのだと思うので、樹のために雑草を減らして新しい土で乾きをよくしてやって樹が回復する助けになったらと思って植え替えています。そういう植え替えでは、もちろん根を切る量は少ないです(根の張る量が少ないということもあります)。
根が元気でないと、当然、枝葉は元気ではないので、根がどうしたら健康にいられるかに気を配っています。
黒松の植え替えは、新芽が葉になる前までに行います。あんまり新芽が伸びすぎると、根を切った後の水の吸上げが追いつかずに新芽がくたっとしてしまうので、植え替え急ぎましょう。
私も、新たに黒松の苗木をたくさん仕入れてしまったので、植え替えに追われてます(^^;)。最近は風が強くて水かけにも追われるし、ひっくり返るでてんやわんやです。
皆様も強風にはお気をつけください。
風強いよ〜😭
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2018年4月7日
ウチの近辺だけかな。
私でも強風に煽られてフラつきます。
飛ばされた風知草、植え替えようと思ってたけど、飛ばされるなんて…
重石として置いてたのに。
直してもまた倒れるので、おさまるまで放置。 pic.twitter.com/aLRNY2ihuf