四国は松の一大産地
気候や砂地といった環境が松に最適で、葉性の良い松が育つことから、黒松、五葉松の産地として、特に高松が大宮盆栽村と並び世界的に知られています。
高松の中でも、鬼無(きなし)地区と国分寺地区があります。
高松といえば、ボンクラちゃん達ですね✨
BONSAI DANCE(JAPAN EXPO2016)「盆栽たいそう〜国宝級になりたいな〜」
針金修行in平松春松園
11月の末に四国の平松春松園さんにて、針金かけを教えていただきました。
私が伺った平松春松園さんは国分寺地区で、大品も小品も扱う盆栽屋さんです。
四国で小品盆栽を扱う業者さんは珍しく、私が滞在中も九州からお客さんが来たりと、本格的な小品盆栽を求めている方には頼りになる存在です。
平松さんとは、雅風展などでよくお話ししてくださる兄貴分。
やまと園修行中からよくしていただいています。
松柏の針金かけは、もちろんやまと園でしっかり教わったのですが、平松さんのご好意で短期的にお邪魔させていただくことになりました。
私の手作業がまだ未熟で黒松の針金かけに自信が持てていなかったことと、他の園を見ることがとても勉強になるからです。
黒松は特に枝先までピシッとそろった姿が美しいので、針金かけの仕上がり次第で価値が変わります。
黒松を自信を持って扱えるように、針金かけで名高い平松さんにお世話になりました。
高松の平松春松園に短期修行していただいてます(^^)
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月25日
初四国、初高松。
紅葉も今が見頃で、横浜より暖かいです。#盆栽 #高松#春松園 pic.twitter.com/UQRCyXlJjz
ビフォー&アフター pic.twitter.com/YF5L1r6xGC
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月25日
針金修行in平松春松園
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月27日
黒松懸崖
1枚目 ビフォー
2枚目 足元針金で引っ張る
3枚目 枝をジンにして、山崎が整姿
4枚目 平松さんに直してもらった最終姿
いただいたアドバイス
・枝をそろえる
・思い切って枝を下げれば空間ができて枝棚を作れる
・頭を丸くすると古さがでる pic.twitter.com/xaJzEyKYPT
針金修行in平松春松園
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月27日
黒松模様木
1枚目 ビフォー
2枚目 山崎が整姿
3枚目 平松さんに直してもらった最終姿
いただいたアドバイス
・枝棚の手前は下げ気味で後ろ側は上げ気味にすると奥行きが出る
・後ろの枝は枝棚の隙間から覗く感じ pic.twitter.com/JOTENjAnCo
針金修行in平松春松園
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月28日
黒松模様木
1枚目 ビフォー
2枚目 樹冠部を残して1日終わる
3枚目 樹冠部の枝抜き。
4枚目 完成。1日半かかってしまった。
枝が混みすぎ、枝を減らしながらの針金かけ。巻いた針金で枝を下げきれなければ、細い針金で引っ張ればよい。 pic.twitter.com/8KxgVIIKmF
平松春松園にて、ラストの1日。
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月29日
ピシッとそろえる最後の仕上げがもう一歩、まだ足らんです。
・一つ一つの枝の束をそろえて、それを重ねる。
・思い切って下げる。
・棚を乱す枝を抜く
今日はしっぽくうどんと昆布の天ぷら。美味しかったです。
深夜バスで東京に帰ります🚌。 pic.twitter.com/8Dm9yWNNO1
平松さんからいただいた言葉
平松さんのお父さん(国昭さん)と3代目(浩二さん)に色々教えていただきました。
心に残っているのは、お二人とも「丁寧に」「自分の樹でやってみないと覚えない」ということを言ってくださっていたことです。
浩二さんが「きれいに仕上がらないんだったらかけん方がいい。オレなんて台の上に1週間も2週間も同じ樹が乗ってることがあるよ。」と言った凄み。
毎日毎日針金かけをしていて、それを25年以上続けてきている人の大切にしている矜持です。
お父さんの国昭さんも、
「ゆっくりでもいいから、初めは丁寧にしっかり針金かけられるようにな。雑になるのは、今後いくらでも雑になれるけん。」と、職人の仕事に対するプライドを教えてもらいました。
目で見て覚えることも伝えてくれました。
「最初はわからないから教えるけど、その後は自分で目で見て覚えるしかない」と。そして自分なりに工夫して、自分の仕事の特徴になると。
どうやって針金をかけるかは教わっても、どの枝にどうかけてるかは何度も目で見て考える。その姿勢がないと自分でできるようにならないというお言葉でした。
そして帰り際、「安くていいから、自分の樹でたくさんかけて勉強するんやで」って声をかけてくれました。
「自分の樹でやってみないと覚えない」は、全ての業者さんが言います。
教えてもらっても、自分の土地で自分の樹にやってみないと覚えない。
やるほどに実感する言葉です。
盆栽のことを勉強しようと、ついつい頭でっかちになりがちですが、自分で習得することの難しさと大切さ。
結局、自分でできる人でないと、業者さんたちは認めてくれません。
平松さんにいただいたアドバイス
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月27日
・枝をピシッとそろえる
・枝棚を乱す枝や芽は、その奥に枝があるなら切って良し
直してもらいながら、平松さんの曲げ方、引っ張り方を見れたことが勉強になりました。
手直しの手の動き、芽の一つ一つの違いは文章にできません(^^;
平松さんのお父さんからのお言葉
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月27日
「ゆっくりでもいいから、初めは丁寧にしっかり針金かけられるようにな。雑になるのは、今後いくらでも雑になれるけん」
「樹高は何センチかを見定めたら、頭の芯が決められる」
「初めのやり方は教えるけど、あとは見て自分で工夫するしかない」
平松さん
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月27日
「盆栽には終わりがないけん、ようできたわ〜!って思えることはほとんどないよ。」
山崎
「私、自分がかけた針金を外すときが一番イヤになります。なんでこうかけたんだろうって。」
平松さん
「そんなんしょっちゅうじゃ。笑」
平松さんでもそう思うんだと、救われました。
番外編
初さぬきうどん❣️
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月25日
今日はかけうどん。大。
明日はぶっかけにしてみるのだ🎶 pic.twitter.com/Y0yLkfOt6B
今日はさぬきうどんのぶっかけにしました。
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月27日
うまし! pic.twitter.com/shKVkrBHst
高松の黒松苗木生産者を見せていただきました。
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月27日
ここで作られた苗で教室など商売させてもらってました。作り手の方に会えて嬉しかったです✨
黒松の根元近くに接木をする技術は難しく、四国で1〜2件だそう。
今後は担い手がいなく、日本産の苗木が枯渇することになります。 pic.twitter.com/8zGdHvTcyX
平松浩二さんは、英語が堪能で海外でデモンストレーションを行う「世界のKOUJI」です(^^)。
浩二さんを訪ねて、世界各国から盆栽の手入れを習いに愛好家が訪れます。
この方は、ポーランドのマシュー。
毎年1~2ヶ月滞在して、盆栽の手入れを習いに。年々腕をあげているそうです。
生近盆
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年11月28日
初めて大きい樹の枝下げみました😄 pic.twitter.com/DcnPTCEHzs
帰ってからもひたすら針金かけ
黒松の針金かけ
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年12月6日
古葉とハカマをとり、
多い葉の数を減らして平均化し、
針金かけました。
#盆栽#黒松 pic.twitter.com/40M1y0xXue
黒松の針金かけ
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年12月16日
ボサボサ状態、少しはピシッとそろったかな😊 pic.twitter.com/tkiQBP6HHb
ミニ黒松素材のビフォーアフター。
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2017年12月10日
根上がりの面白い曲がりで、葉性も良く、良い素材です❣️
思わずケースでたくさん買ってしまいました😊
ミニの場合は、
間伸びした強すぎる芽を切り、
程よい短さの芽で作り樹形を整えます。
来春、小鉢に植え替えれば芽の伸びも押さえられるかな🎶 pic.twitter.com/u7ETcsnJet
ビフォーアフター3本
黒松の針金かけについて
黒松の針金かけは、11月〜3月までに行います。
芽が伸びだすと、針金かけの際に手で芽を折ってしまうので、
「芽の伸びが止まってから伸びだすまで」ということです。
そして、針金かけをした樹は、寒風を避けて保護してあげます。
松柏類には銅線がよく使われるのは、針金をかけてから半年〜1年は外さないからです。
なので、銅線の方がこのような特徴があり、松柏類に用いられています。
・銅線を巻いた後、緩みにくい
・同じ細さでアルミ線より強度があるので、細部までかけれる
銅線は手に入りにくいし値段も高いので、初めての方はアルミ線をオススメしています。
どちらも枝が曲がって、クセがつけられればいいので、どちらでも大丈夫です。
ということで、年末も年始もひたすら針金かけをしています。
初売りのデパートなんて何年も行ってないな。。。
では、今日はこのへんで。