盆栽をやるとどんないいことあるの?
世界中に趣味者がいる盆栽。
最近じわじわと注目されていますが、さて、盆栽をやると何がいいのでしょうか。
「盆栽の効果」を考えるきっかけをくれたのは、取材依頼。
今まで、自分の中で「盆栽のここがいい!」と思っていたことをお話しできる機会があるなんて🌟
ツイッターでも反応が返ってきましたのでご紹介します。
「盆栽をやることの効果や楽しさを知りたい」との取材依頼。
— bonsaichie (@bonsai_chie) 2017年12月11日
効果ってどんなことがあるだろう。
・季節に敏感になる
・植物を学び、森を近くに感じる
・地域にも世界にも盆栽仲間ができる
・癒されて心が軽くなる
盆栽のおかげで世界が広がり、心が穏やかに暮らせる。
という感じかしら?
虫に強くなりましたね。少々のことでは驚かなくなりました笑。
— Shuto🌳Araki (@shuarak) 2017年12月11日
私は退職後盆栽を始めたのですが、毎日水やり等の世話をしなければならないので規則正しい生活が退職後も継続して送れています。
— 浦和のけんじい盆栽小鉢 (@kennji449) 2017年12月11日
私は盆栽を庭先に飾っているのですが、ご近所さんとお話する機会が増えました。
— 大宮盆栽村の角さん (@bonsaikakusan) 2017年12月11日
盆栽は元々巨木趣味から入っていったのですが、樹種や植物生理への関心という意味で相乗効果が大きいです。あと、地元じゃない土地に住んでいるのですが盆栽会に所属する事などで地域の縁が増えたのも良かったかなと。
— masa@盆栽 (@Skyedge_Trees) 2017年12月12日
私は樹の分類学に詳しくなりました。遠くにある大きい植物より、近くにある小さい植物の面倒を見る方が精神安定の効果があるそうです。逆に多すぎる植物の面倒は効果が無いと科学的に証明されてるそうです。私は後者に当てはまるかもしれません。
— Shiroshitan (@SYOHIN_BONSAI) 2017年12月11日
いかがでしょうか?
盆栽をやっている方は、「わかるわかる!」と共感ポイントがたくさんあったのではないでしょうか。
他にも、長年の盆栽愛好家さんが、奥様を突然失われた寂しさ辛さが盆栽を見てると心が軽くなったというお話を聞きました。
盆栽は言葉は発しないけれど、その生きる姿に励まされるのですね。
さらに、日々の手入れに体が動かされ、随分と気持ちが和らぎます。
盆栽とは樹と共に暮らす文化
樹は手をかければ人より長く生き、水をやらなければ1日で枯れてしまいます。
水をやり、成長に合わせて剪定や植え替えを行い、世話をしながら共に暮らしている。
まるでペットや子供のような存在なのです。
ちなみに、盆栽の理想形は人それぞれ。持ち主が「これが好き」と思えば、その姿でいいのです。
「盆栽はこうでなければならない」という話をされたら聞き流してOK。
「その盆栽をあなたが好きかどうか」でシンプルに感じたままでいいのです。
ただ、鑑賞を目的に作っているということは共通です。
その樹を見て「いいな〜」と思う姿に仕立てていく。そのために日々作業してお世話をしています。
樹種も形も好きなものを作っていってOK。
まだまだ無限に幅を広げられるのが、盆栽の面白く奥が深いところなのです。
盆栽をやることの効果、広がる世界
さて、本題の盆栽をやっていると世界を見る目が変わるのですが、そんなことをご紹介します。
1、季節の移り変わりに敏感になる
盆栽は、毎日水やりを行います。朝の出勤前や、帰宅後。季節に合わせて1日1〜3回水を与えます。
一つ一つ見回りながら水をかけるのですが、その際に木々の変化で季節の移ろいを感じています。
新芽が膨らみ始めたら春の足音を、緑が茂り水の乾きの早さに夏を、紅葉し落葉する様に一瞬の秋を感じます。
季節を教えてくれるのは、いつも植物です。
その変化をいち早く、身近で教えてくれるのが、盆栽たちなのです。
2、植物を学び、森を近くに感じる
盆栽を持つと、「この樹は元気なのか?」「花を咲かせるにはどうしたら?」と
しゃべってくれない植物の気持ちをわかろうと必死になります。
光合成や肥料について学んで見たり、樹が元気に生きるにはどういう環境がいいかを考えます。
お手本にするのは、自生地の環境。
その樹が自然に生え、元気に暮らしている森をテレビやネットで見て参考にします。
土壌や湿度、雨量、気候。
植物にとって少しでも良いようにと工夫を重ねる日々なのです。
森のことを学び、森を想像します。森に行ってしまう人も。
圧倒的で完璧な自然の森に思いを馳せながら、身近に木々を作っている感じです。
3、地域にも世界にも盆栽仲間ができる
盆栽は一人でもできる趣味ですが、一人では限界があります。
「どうしてそんなに花付きがいいの?」「どうしてそういう形になるの?」「冬場の管理はどうしてる?」など、人のやり方がとても参考になるのでなんでも聞いてみましょう。
その時、会社の役職や年齢性別も関係なく、盆栽の知識と技術のみで話し合えます。
それはとても居心地の良い世界で、「植物のこと」という共通言語ができる感じです。
地域はもちろん、世界にも同じ趣味を持つ仲間がいます。
世界盆栽大会では、一つのステージを様々な国の愛好家が一緒に、熱心に見ていました。
中国の愛好家が、盆栽を見ながら熱心に仲間としゃべっている内容は、言葉はわからずとも大体予測ができました。通訳さんに「こういうこと?」と確認すると、「そうそう、よくわかるね!」と笑いました。
今では、盆栽の趣味者がいない国を数えた方が早いそうです。
4、癒されて心が軽くなる
手入れをしていると、没頭するので、無心になります。
樹液の香りでや土に触ることのリラックス効果もあります。
動物のように鳴き声はなく、静かに寄り添ってくれます。
樹がたくましく生き、日々移りゆく季節の変化を見せる姿に励みをもらいます。
「植物の手入れをする」という癒し効果は、想像以上に大きいです。
時代は、時間がかかって面倒くさいものは手を出さない流れです。
が、めまぐるしくて忙しすぎる日常から逃避したい時、植物の手入れは最適です。
そして、毎日水をあげるという「毎日やらなければいけないこと」は、仕事から離れた人や、リフレッシュしたい人にとっては救いになります。
さて、盆栽をやる効果はいかがでしたでしょうか。
上に書いたことは、もちろん、私の思う効果です。
人によって感じることは様々ですが、盆栽が長年親しまれてきた理由は、やはり盆栽に感じることが多いからではないでしょうか。
盆栽は見るだけではなく、やって見ることでさらに広がる世界です。
皆さんも盆栽を手に取り、世界を広げて楽しんでいただけたらと思います。