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BONSAIちえ

豆松屋山崎ちえの盆栽日記

9月の盆栽の手入れ

今年は冷夏ということで、秋の気配が急に現れました。
晴れてるのに涼しい風が吹くから、どこの高原に来たかと思う清々しさ!
そう思ってたら明日は30度になる予報。
明日の交換会は半屋外なため、体調を崩す気がするなぁ。

気づけば、冬はもうすぐそこ。

11月には紅葉が始まり、それを合図に植物は休眠モードへ入ります。
休眠しているので、根の動きは鈍くなります。
なので、植え替えても新しい根が出るまでに時間がかかるため、吸水がうまくいかずに無理をさせます。
また、植え替えたばかりの土が凍ると霜柱ができて浮き上がり、一緒に根を露出させて乾かしてしまいます。
なので、冬場に植え替えはしません。
寒さと寒風に耐えるだけでも大変なのに、さらに無理をさせるなんてかわいそうです。

夏の暑さが落ち着くと、植物の動きが復活します。
冬前に根や新芽が最後の時期がイマ!

9月の植え替え

今が植え替え時期な樹種もありますし、結構やることありますよ!
ただし、この時期の植え替えは、春よりは根を残して植え替えます。
やはり、冬までの期間が少ないですから、根は多めに残しましょう。

  1. バラ科(野バラ、カリン、サクラ、ウメ、橘もどき、姫リンゴ、深山カイドウ、ズミ、長寿梅)
  2. 老鴉柿(ロウヤガキ)
  3. 寒グミ
  4. 真柏
  5. 五葉松

老鴉柿が意外ですよね。
実がついてる時の方が良いなんて。
暖かい時期の方が生育がいいんですね。

私は親方に教えてもらったのは
「植え替えに迷ったら、根を見ればいい」です。
白根(根の先端から出る白く新しい根)が出てれば根の活動期。
根を切っても新しい根がすぐ出てくるので、樹への負担が少ないということです。

9月の枝葉の手入れ

針葉樹の芽摘み

冬の休眠モードへ入れば、新芽は出なくなります。
考えてみたら、冬に新芽を出しても寒風にやられてしまいますからね。笑
その冬までに最後に芽を動かす時期が、今です。

杉、ヒノキ、杜松、真柏、一位、米栂
などの針葉樹の芽摘みをして、次に吹いた芽で冬を越すようすると、
枝葉が揃ってきれいです。

 

黒松・赤松の芽きりした二番芽の整理

芽切り後に吹いた二番芽を、小さいうちに整理しておくときれいに揃いやすくなります。
二又分かれになるように、左右に二つ芽を残していらない芽はピンセットでとります。
芽の大きさが同じくらいのものを残します。

芽切り後の肥料は、地域や元気具合によって異なります。
まず、芽の伸びがイマイチな場合は、肥料をやります。
元気モリモリで、立派な新芽が出ているならば、肥料は控えます。
小品盆栽の場合は新芽が伸びすぎてしまうと間延びしてカッコ悪くなりますから、理想は、新芽の伸びが止まってから与えます。
地域によっては、例えば九州や四国は、関東に比べて夕方の気温が下がらず、芽の伸びが遅いそうです。なので、お盆頃に二番芽が少し出たところで肥料を与えるそうです。

五葉松の古葉取り、針金かけ、植え替え

五葉松は、新芽の葉が固まりました(伸びが止まった)。
葉をさわって、ハカマ(茶色い薄いカラ)が落ちたら、伸びが止まった合図。
8月にはハカマは落ちていたので、8〜9月にかけて植えかえ時です。
一昨年葉、昨年の古葉を取って、針金かけをします。
水通りが悪いようなら植え替えも行います。
葉の伸びが止まったので、肥料もやりましょう。

雑木類の剪定

まだ少し伸びますので、剪定をします。
葉もの盆栽は伸びたら切るの繰り返しです。葉刈りはもうしません。
花もの盆栽は、10月に入ってから剪定してます。今頃切って、芽が動いてしまったことがあるからです。

施肥

冬越しの力を蓄えるため、また、充実期でもある今、肥料をたっぷり与えます。
芽きりした黒松・赤松は様子をみながら、それ以外は全て肥料を与えます。

消毒

秋の長雨で病気が出やすい時期です。
うどん粉病などを予防する殺菌剤を散布します。
また、アブラムシやハダニ、イモムシ系の虫もまだ活発に動いてますので、殺虫剤の散布も大切です。

寒冷紗を外す

だいたい9月の半ばに寒冷紗を外しています。
夏の強い日差しが終われば、再び日差しにあてます。
曇りの日に外すなど、徐々に日差しに慣らしてあげましょう。
我が家では、涼しいからと寒冷紗を8月の下旬から外してたら、モミジの新芽がチリチリになってやけてました(^^;)。ゴメンよ〜。やはり日差しは強烈だったようです。

 

 ということで、9月もやることたくさんありますね。
なるべく涼しく、日差しが出てくれることを祈ります。