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BONSAIちえ

豆松屋山崎ちえの盆栽日記

【盆栽のはじめ方】盆栽を買った後はどうしたらいい?

巣ごもり期間の今、おうちで緑を感じられる盆栽の需要が増えています。
盆栽って、いいですよね。なんか、じんわりくるものがありますよね。
ちょっと盆栽のことが気になる方へ、盆栽のはじめ方についてお伝えします。

盆栽はどこが面白いの?

盆栽は、植物を育て身近に緑を感じる生活文化です。
なるべく長く育てて植物と共に暮らし、時々飾って楽しむために姿を整えていく。
そして、共にいるうちに愛着が湧き、特別な樹々として大切にする。
そんな、樹と共に生きるライフスタイルを、盆栽好きたちは楽しんでいます。

盆栽を買ったら、何をするの?

盆栽は生きている植物。そのまま放ったらかしたら、枯れてしまいます。
まずは置き場所と水やりに慣れ、環境を整えてあげましょう。

1、盆栽の置き場所を整える
2、水やりに慣れる
3、様子を観察して、植物の成長を確認する

 

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1、盆栽の置き場所を整える

盆栽は外が定位置

「盆栽をお部屋の中で育てたい」と、皆一度は思うのですが、屋外が盆栽にとってはちょうど良い環境です。日当たりと風通しが樹を健康に育てるので、屋外に置きましょう。
お部屋で眺めるのは3〜4日を限度にします。常に室内に飾りたい方は、盆栽を入れ替えて、屋外時間を確保してあげましょう。

盆栽は樹種により、日当たりや気温、湿度の好みが違います。
自然で生きてる場所を参考に、特に夏と冬の置き場所を考えましょう。

例えば
黒松・・・防砂林など海岸線に多く生えている。日当たりが好き。
モミジ・・・箱根など夏でも涼しく、渓谷や湖の近くでも見かける。夏は半日陰で水切れ注意。
キンズ・・・みかんやレモンなどは冬でも暖かい地域で育てられてる。冬は寒さから保護する。

植物は好みの環境でイキイキ育ちます。盆栽は、鉢植えにして植物たちをお庭やベランダにお迎えするので、我が家の外環境の中でどうしたら育ちやすいか工夫してあげましょう。
お住まいの地域差もあるので、寒さ暑さなど、自然で生きている場所を参考にしてください。 

Q, 窓辺に置くのはダメですか?
A, すぐに枯れるわけではありませんが、日光が足りずに葉が大きくなったりヒョロヒョロと枝が伸びて”もやしっ子”になります。紅葉や来年の花がつかなかったりと、盆栽として格好良くはなりづらいです。

Q, 盆栽を外に置くって、どうすればいいの?
A, インターネットやSNSで「#盆栽棚」と検索してみてください。みんなそれぞれ工夫しています。基本的には、地べたに直接置かずに棚に置いて、コンクリートの熱や室外機の熱風、土汚れや虫の進入を避けています。
目の届きやすい場所に置いた方が、水やりがラクになり成長の変化にも気づきやすくなります。

 

2、水やりに慣れる

水やりは「乾いたらたっぷりと与える」が基本です。

”乾いた”とは・・・苔がパサパサしていたり、土の色が薄くなったり、持ってみて軽くなったら乾いています。
鉢底の穴から水が出るまでたっぷりと水をあげましょう。

目安は、春と秋1日1〜2回、夏は1日3〜4回、冬は1〜2日1回。

基本的に、朝と昼過ぎor夕方に水を与えます。夏は、朝昼晩の3回。冬は落葉樹は乾きが鈍ります。

Q, 水やりはどうしたらいいですか?
A, 細かい穴があるハス口のついたジョウロやホースで水をたっぷり与えます。枝や葉が濡れても大丈夫です。大切なのは、根にたっぷりと水がいきわたること。四方八方から根元へまんべんなく水をかけ、鉢底の穴から水が流れ出るほどたっぷりあげます。
バケツの水に鉢ごと漬ける「どぶ漬け」の方法も、しっかり水が行き渡るのでおすすめです。10~20秒ほど水に漬け、ブクブクと気泡が出なくなったら水が行き渡ったサインです。

Q, 水をやりすぎて枯れることはありませんか?
A, 水のやりすぎで枯れることはありません。余分な水は穴から抜けますので、たっぷり与えてください。ただし、受け皿などでいつも水に根が浸かっている状態だと根腐れしますので、乾かす時間も作ってください。
ちなみに、枯れる原因の9割は、水切れ(水やりが足りなかった)です。

Q, 仕事や旅行など、水やりができない時はどうしますか?
A, 手軽な方法は、受け皿などで水持ちよくすることです。腰水(鉢底穴から水が吸える水位)くらいの水を、水切れしやすい昼過ぎ〜夕方にかけて補えるようにしてあげます。ただし、先に書いたように、いつも水が多い状態では根が健康に伸びないので、帰宅後に受け皿の水を空けたり、家にいる時は受け皿を外すなど、乾かす時間も意識してください。

旅行で3〜4日家を開ける場合は、タライなど広く薄く水を張れるもので、水持ちさせます。旅行前に、予行練習で同じ日数試してみると、安心できるかもしれません。1週間家を開ける方は、友人や実家に預けた方が良いでしょう。

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Q,雨が降ってる時は水やりしなくていい?

A,雨に濡れて乾いていなかったら水やりしなくてもかまいません。ただし、その場合は鉢底穴から中の土色を確かめて、中の根まで水が届いているか、よく見てください。雨が葉にガードされて中まで水がしみていなかったという水切れ失敗談はよくあります。

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 3、様子を観察して、植物の成長を確認する

枝は伸びてきていますか?

盆栽を自宅にお迎えして環境を整え、水やりをする日々が始まったら、あとは樹の様子を観察してみましょう。
新芽の芽吹きや花が咲く楽しみから、だんだん枝が伸びて葉が旺盛に茂ってきます。葉が増えると乾きも早くなるので、水やり頻度を上げて、水切れに注意しましょう。
伸びてきた枝は、輪郭を乱す部分で剪定します。花が咲く樹種は、葉が4~5枚伸びたところで剪定します。

枝が伸びてきてビックリするかもしれませんが、樹が元気な証です。
「よしよし、順調だ」と、ご自分と盆栽をほめてあげてください(^^)。

もし、春〜秋で1ヶ月経っても変化がない場合、何か危うくなっているかもしれません。冬は枝は伸びませんが、春〜秋なら、枝が伸びたり紅葉したりするのが普通です。
置き場所や水やりで、何か問題があったはず。ほとんど水やり回数での失敗が多いので、水やり頻度を見直してください。

Q, 葉や枝が、くたっと下を向いてうなだれてしまいました。
A, 水切れのサインです。すぐにたっぷりと水をあげて、日陰に置いて枝葉が戻るのを待ちます。

Q, 水切れしたのか、葉が茶色くなって落ちました。どうしたらいいですか?
A, 水切れしたら、半日陰に置いて「乾いたら水やり」を行い、復活を待つしかないです。肥料は、傷めた根にさらに塩を塗るようなものなので、あげないでください。何かしたいと思う時は、植物の活力剤を水に溶かしてかけてあげて・・・やはり祈るのみです。それまで元気にそだっていた樹であれば、復活する可能性があります。 

Q, 枯れてしまったのか、生きているのかわかりません。
A, 枯れている枝は、樹皮がシワシワしていて、指でつかんで「ポキっ」と折れれば、枯れています。生きていれば、しなって折れません。判断つかなければ、枝先を少し切ってみてください。枝の中が水気があれば生きていますし、カサカサと白っぽければ枯れています。
枯れた枝をそのままにしてても、そこから新しい枝が伸びてくることはないので、生きている部分まで切ります。

Q, 虫はつきますか?
A, はい、自然の樹木と同じで、虫や病気もあります。園芸用の殺菌殺虫スプレーを定期的に散布します。

Q, 植え替えは必要ですか?
A, 買ってきてすぐの植え替えは、基本的にはしなくても大丈夫です。まずはそのまま育ててみましょう。ポット苗から鉢に植え直したい場合は、根を切らなければいつでも大丈夫です。
水通りが悪く、根が詰まってきたら植え替えが必要です。植え替え頻度はだいたい2〜3年です。

Q, 肥料は必要ですか?
A, はい、春と秋に肥料をあげます。盆栽では固形肥料を使う方が多いですが、液体肥料でもかまいません。桜など花もの盆栽にバラ用の肥料を使っても大丈夫です。園芸用の化成肥料が手軽で、おうちにあるものを与えてみましょう。パッケージに記載の量や効力なども確認してください。

 

まずは1週間、水やりを忘れないこと

水やりは、1週間気をつけて忘れないようにしていると、気づけば1ヶ月がたち、2ヶ月3ヶ月と過ぎていきます。そして、そのうちに季節が変わってきて、水やりの度に植物の変化に気づき、盆栽が愛おしくなってきます。その頃には水やりの習慣にも慣れて、楽しい息抜きのひと時となっているはずです。

今年見事に咲いた桜の樹が、花がないときはただの葉っぱしかないこと。でも、その葉の紅葉は意外ときれいなこと。

そういう気づきがだんだんと増えて、近くの木々や草花のこと、森のことまで気持ちが向くようになってきます。そうすると、日常の景色が少し変わって見えるのではないでしょうか。
ちょっと心豊かに暮らす一歩に、自然に心寄り添える暮らしに、盆栽は日々きっかけをくれます。 

最後に、水やりのザブザブやる感じをわかっていただけるよう、動画リンクしておきますね。
もうちょっと丁寧な動画ができるといいですね。一応、盆栽に近づいている時は、根元の渇き具合がわかるようにと思ったのですが、見えますか?


上野グリーンクラブ常設売店の水やり