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BONSAIちえ

豆松屋山崎ちえの盆栽日記

5月は「芽つみ・剪定・針金かけ、暖地性樹種の植え替え、施肥、消毒」。つまり、やることたくさん。

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか(^^)
こちら、オンラインの勉強で盆栽に手がつけられていないこの頃です。
パソコンに向かう時間が長く頭も肩も首もこってます。疲れた〜と思いながら水やりに外に出て盆栽の緑の葉をみていると・・・目がほぐれる感じがいいですね🌱。
そして、水をやりながら枝がビョンビョン伸びてきてることに罪悪感を感じ、1〜2鉢手に持って息抜きがてら作業しようと思うのですが、それだけで終わるはずもなく、てんてこまいになっているこの頃ですヽ(;▽;)ノ

そんな、盆栽の手入れでもフリーズしてしまった時は、以前に書いた記事を思い出してます。
見返すと同じ時期に書いてるので、もしや5月はフリーズしやすい季節なのでは?笑

www.bonsaichie.com

 

5月のお手入れ

気温が上がり新芽が旺盛に伸びる時期

5月の平均気温は東京では20℃前後となり、植物の生長にも良い気候です。
松柏、雑木を問わず新芽が伸び出すので、芽つみや剪定、針金かけが主な作業となります。
新梢が柔らかいうちに針金をかける"芽抑え"を行うのにも良い時期。雑木類やヒノキ系などは、枝葉の様子を見ながら早めに針金かけを行い、枝作りを進めます。

 
芽つみと剪定

新芽の柔らかいうちに先を摘み取るのが「芽つみ」、指で摘み取れないほど硬くなった枝を切るのが「剪定」。どちらも枝の伸びを抑える作業です。

枝は伸びるほど太るので、細い小枝を維持したい雑木類は、特にこまめに芽つみや剪定を繰り返します。
伸びを抑えたい樹冠部や外側の枝は、1節残しで剪定。逆に、太らせたい下枝などは2〜3節残しで剪定します。輪郭を意識しながら剪定しましょう。

6月頃まで枝は次々と伸びるので、引き続き伸びた枝を芽つみして抑えます。

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ニオイカエデの剪定。1節とは葉が1~2枚です。

花もの・実ものの剪定、芽抑え

難しいのは、来年の花芽を付けたいときの剪定。
だいたい6〜7月頃に花芽を作るので、それまでに剪定や芽抑えを行います。
花は1年ごとと考え、枝作りを前提にしてもらった方が気が楽かと。

剪定

梅や桜の開花後は、新芽が出てきたところまで切り戻します。花が咲いていたところからは新芽は吹きませんので、新芽(新しい枝)を確認しながら切ってください。

その後新しく伸びた新梢は、3〜4節(葉を4~5枚)残して剪定します。
葉もの盆栽(カエデやモミジなど)に比べて枝を伸ばし気味にして剪定します。

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御殿場桜。花後に剪定し、新しく伸びてきた新梢。5/20現在。

その他の樹種でも、勢いの強い枝は、花がつきづらかったり、伸びた先に花がついても輪郭を乱すので、適度な長さで切っています。
花がつきそうな芽には、葉が複数枚ついています(姫リンゴなど)。

枝ごとの葉のつき方の違いなどをよく観察しながら、剪定を考えてみてください。研究者肌の方は、記録を撮ってシェアしていただくと、参考になりありがたいです。

芽抑え

5〜6月に梅や桜、椿など、葉がしっかりして新梢が柔らかい今の時期に針金をかけて枝を曲げておきます。曲がることで枝の伸びが抑えられ、葉芽も適度に確保できるので、花芽ばかりで枝が枯れていくのも防ぎます。
ただし、5月はまだ枝(古枝)が硬い樹種もあり、枝が折れやすいですからお気をつけください。

 

針金かけ

枝を伏せる程度の針金かけを、新芽が伸びている黒松や五葉松以外、全般に行います。

枝葉がよく伸びる時期なので、枝を伏せ、枝もとまで太陽光や風が当たるようにしてあげると、枝葉が茂り枝棚の充実につながります。

枝は、放っておくと太陽を目指して上へ伸びます。そして、日に当たる外側ばかり葉が茂って、枝の途中の葉に日差しが届かずに枯れて、間伸びした枝になります。

盆栽として一番格好悪いのは、間延びした枝姿だと思うので、間伸びさせないよう枝元まで日差しが届くことをとても意識します。

ヒノキ、真柏、杜松、米栂、一位、エゾマツなど、芽切りする松以外の松柏類や雑木類全般に、枝を伏せる針金かけを行います。

幹や枝を強く曲げる針金かけは、松柏類なら秋ごろ、雑木類は6〜7月、もしくは秋に行っています。

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石化ヒノキ。芽つみを行ってから下枝の針金かけを行いました。枝を伏せて日が当たり、枝葉が増えるよう促してあげます。ちなみに、針金かけた後、植え替えました。(5/20)

 

暖地性樹種の植え替え

4月後半から、気温が上がるにつれて暖地性樹種の植え替えを始めています。

くちなし、磯山椒、ちりめんかずら、椿、香丁木など、主に常緑で暖かい気候を好む樹種です。
5月に入り、キンズ、台湾ツゲ、姫桜桃など、より寒さに弱い樹種の植え替えをしています。
常緑樹も、新芽がでてきたタイミングか、新芽の葉がしっかりしてからが植え替え時です。

今、葉がまだ黄緑色で柔かい時でしたら、もう少し待って、葉がかたまってから植え替えた方が良いと思います。

 

施肥

五葉松と、開花中の樹以外に肥料を与えます。

芽切りをする予定の黒松はたっぷりと。
芽切りをしないで、文人木など細く作っていく黒松や赤松には、最小限に(もしくはあげない)。
五葉松は、芽切りをしないので、今の時期は肥料を与えません。枝葉が伸びてしまうからです。もちろん、元気がない状態でしたら、肥料を与えてください。

*真柏は、春も肥料を与えた方が夏越しの元気が良いので、春も与えることにしました。もし、真柏の葉を短く締まった姿で作りたい場合は、春は与えずに秋だけ肥料を与えます。

開花中の樹に肥料を与えると、花を落としたり結実しづらくなるので、肥料を外します。

私の使っている肥料は、もっぱらこちらです↓。すべての樹種に使っています。小さく手につかないので便利なのと、黒松などの共生菌も元気そうです(^^)。

まくだけ!花と野菜の肥料 | 花ごころの商品情報 | 花ごころ

 

消毒

気温が上がり、虫も活発になってきました。アブラムシが大量にいるのと、それを狙ってアリが棚場を闊歩しています。
うどん粉や病赤星病がそろそろ出ますので、殺菌も必要です。

園芸用の殺菌殺虫剤を散布します。お手軽なのはベニカxですね。
葉の表裏、幹枝までまんべんなく散布します。
気温が低く風のない、曇りの日の早朝か夕方に散布してください。

www.sc-engei.co.jp


アリは、鉢の中に巣を作ってぞろぞろ出てくることがあります。そういう時には、アリ用の薬を少量、鉢の土の上に撒きます。

アリアトール|住友化学園芸 eグリーンコミュニケーション

 

 

では、今月も盆栽と楽しい日々をお過ごしください。やることたくさんありますが、考えすぎず気楽にやりましょう〜٩( ᐛ )و

困った際は、メールやオンラインでご相談くださいませ。