昨日は、埼玉県の聖学院大学での「地域と芸術文化ー盆栽文化を学ぶー」の10コマ目の講義を担当させていただきました。
小品盆栽のワークショップということで、真柏の針金かけを行いました。
教材は、銀性真柏の挿し木約7年生です。
この真柏は、埼玉県川口市の『秋元園芸』さんで挿し木から作られたものです。
挿し木をして、細いうちに針金をかけて、幹模様を付け、枝の剪定や針金かけを繰り返して、昨日はみなさんの教材としてお持ちしました。
真柏は、丈夫で初心者の方々にもオススメの樹種です。
枝作りの面白さも楽しめるし、だんだんと枝葉が充実して貫禄のついていく様が、育てる楽しさも味わえます。
今日は、余った教材の針金かけをしました。
針金をかけてると、
「この素材を作ってきた人は、どう考えて作ってきたのかな」
と思いながら作業します。
「この枝は、どうして必要なんだろう」とか。
針金をかけながら、まずは、先の作者のイメージを引き継げるか考えます。
そして、自分の思う「こうした方が良くなる」というイメージができれば、変えます。
そんな、盆栽の中に見える「人」のこともお伝えすれば良かったなと反省です。
この真柏を作ってくれた秋元さんは、80歳過ぎのおじいさんで、行くと「きゅうり持って帰る?」と聞いてくれる働き者で優しいおじいさんです。
息子さんの代に代替わりされて、素材はおじいさんが毎年どんどん作っています。
挿し木して、針金かけて、植え替えて、肥料やって、雑草抜いて・・・と何千鉢とある素材を作っています。日々の水やり、消毒、寒冷紗や冬の囲いなど、様々な管理があって作られてる素材のことを、もっとお伝えするべきでした。
年々、盆栽の生産者の数は減っています。でも、素材がなくなったら、手に取りやすい盆栽も、教室も無くなってしまいます。
そんな地域の宝である秋元園芸さんです。
40人近くの受講ということで、スクリーンに針金かけの作業動画を写したのですが、分かりにくかったようなので、こちらにも載せておきます。良かったらご覧ください。
そして、講座で一緒に針金かけの指導をしてくださったのでは、『かまくら木花草』の成松さんです。同じやまと園で修行した同門の女性盆栽師です。
昨日の講座では、針金をかけた後の、形を整える作業が、みなさんきれいにできていたと感じました。
それはきっと、今回のこれまでの講座で、盆栽の写真や本物を見てきたから、形をイメージできていたんだと思います。
ジンの位置や枝ぶりで、正面を変えて作っている方もいました。
みなさんに針金かけの面白さを味わってもらえていましたら幸いです。
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