梅雨まっただ中。
湿度が高く蒸し暑く、洗濯物の生乾き臭に悩む時期でありますが、盆栽にとってはこの時期こそできる作業があります。
挿し木と取り木
枝が伸びて充実し、湿度が高く曇りが多い梅雨時期は『挿し木・取り木』の適期なのです。
・挿し木・・・枝を切り取り、用土に挿して発根させること。
・取り木・・・幹にキズをつけ、そこから発根させて、切り離す。
どちらも繁殖方法のひとつです。
挿し木は、よくアジサイでもされる方は多いと思いますが、枝を途中で切り、土に挿して根を出させ、増やす方法です。
松類は難しく、その他はだいたいの樹種で可能です。特にクチナシや匂い楓、椿、チリメンカズラ、モミジなどつきやすいので、これらで試してみてください。
同じモミジでも、品種によってつきやすいもの、つきにくいものがあるので試してみてください。
〈挿し木のポイント〉
・元気の良い樹の枝を使う(挿し穂)。
枝は若すぎると土の中で腐ることもあるので、木質化している部分を土内に挿す。
・用土は、肥料分がなく、細かい粒のものを使う。赤玉細粒を使うのが一般的。
・挿し穂の葉は、減らすか面積が小さくなるよう切り、蒸散量を減らす。
・挿し穂の切り口を、よく切れるナイフで切り直す。
・発根剤は色々あるので、利用した方が確率が上がる。
・素焼き鉢に用土を入れ、複数本の挿し穂をぎゅうぎゅうに挿す。
その方が挿し穂が土内でグラつかなくなる。
挿す時は、ピンセットで挿し穂の先をつまんでピンセットごと土に押し込む。
・その後の管理は、半日陰で水切れ厳禁。棚下などで、腰水潅水をする。受け皿の水は定期的に入れ替えると良い。さらに湿度を保つため、ビニール袋をかぶせたり、半透明の衣装ケース内(棚下)に入れフタを少し開けておくなどすると効果的。
そう、挿した後の管理が一番大事です。
うまくいけば来年の春には1本ずつ小鉢に移しかえます。
ダメだったら1週間ほどで枯れます。。。
「ここから根を出させたい」と思うと難しいですが、「うまくついたら儲けもん」くらいの軽い気持ちでいれば楽しくどんどん増えます。
増やしすぎると手が回らなくなるので、ほどほどに(^^)。
取り木は、少し難易度が上がります。
「どこで取るか」のセンス。
「思ってたところから発根させられるか」。思い通りに出てくれないところが難しい。
〈取り木のポイント〉
・元気の良い木を使う。
・取り木をかけるものは、植え替えを行ってない状態が良い。
・環状剥離をしたあとは、よく切れるナイフで切り直す。
・発根剤を使った方が確率が上がる。
・環状剥離をした部分には、水苔をビニールで巻いたり、赤玉土が覆えるようにビニールポットを取り付けるなどする。どちらも、かけた水が下に抜けていくような状態にする。
・取り木を仕掛けた後の管理は、半日陰に置き、取り木を掛けた部分が水切れしないように気をつける。
・取り木を外すことを急ぐと冬場が心配。急がずに春に外すくらいが良い。樹種によっては、1年では出ずに、2年かかって外すこともある。
半透明の衣装ケースの写真がありますので、ご参考に♪⇩
葉刈りと針金かけ
葉刈りは、ケヤキ、モミジ、カエデ、そして長寿梅も葉刈りして針金かけをしています。
(取材協力 やまと園)
春に植え替えができなかった、モミジやカエデ、ケヤキなど、葉刈りしてから植え替えてます。長寿梅も植え替えできますよ。
雑木類は葉刈りしなくとも、新しい枝が伸びて柔らかいこの時期に針金で曲げて形を作ります。
その他、今のうちやっておく事
梅雨明け後に厳しい日差しで葉やけしないよう、寒冷紗やスダレの準備もすすめましょう。
芽切り前、黒松は元気よく新芽が伸びてますか? 芽切り前最後の肥料を与えておきましょう。
草ものの挿し芽、株分けなども行えます。ミニ盆栽の下草に、より小さな草ものを作っておくと便利です。
梅雨時は病気が広がりやすいです。うどん粉病、赤星病など殺菌殺虫剤の散布も念入りに!
はあ、やる事たくさん。少しずつ進めましょうね٩( 'ω' )و
6/30~7/1は、浅草の「お富士さん植木市」です。息抜きにぜひ〜!
浅草の「お富士さんの植木市」
— BONSAIちえ(豆松屋 山崎ちえ) (@bonsai_chie) 2018年6月22日
6/30〜7/1に再び開催です!
9:00〜21:00
売店は浅草寺がの雷おこしの5656会館から柳通り、富士浅間神社までです。
お富士さんは、一の富士、二の富士と2か月連続で月末に開催されます。雨天決行。皆さまぜひ(^^)#盆栽 #bonsai #お富士さんの植木市 #浅草 pic.twitter.com/yLNMMq7lqV