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BONSAIちえ

豆松屋山崎ちえの盆栽日記

地震と展示会

夕方、家に帰ったら停電中でした。家に帰るまでもバスがなかなか来ずに時間がかかりました。3月11日の地震が起きた日と似たような状況でした。
 
今回の相模小品盆栽展では、案内状をお送りしている方々や出品を予定していた会員さんからも展示会をやるのかどうか問合せが多くありました。自粛した方が…との声も。
しかし、展示会の案内状はすでに千人以上の方々に送付済であり、「短い日数の間にその方々全員に中止の連絡を行うことは難しい」ということで、展示会は予定通りの開催となりました。
 
「“展示会”というお祭りのようなイベントをこんな時期にやるなんて」と不謹慎だと思われるかもしれませんが、私は改めて盆栽の魅力を感じたし、人のたくましさも感じましたよ。
こんなときでも、鳥は相変わらず実を食べにくるし、新芽はどんどんふくらんで植え替えを要求してくるようだし、新芽やつぼみが水を欲しがって乾くのが速くなってきたし。どんな時でも、人間の流れには関係なく、自然のリズムを刻み続けてくれています。なんだか、そのギャップに笑ってしまうような、頼もしいような。救われた気がします。
そして、人は戸惑いや不安を抱えつつも、みんなで集まると不思議と楽しい気分になるんですね。困った話や棚から樹が落ちた話も、みんなで笑って、あーだこーだと言っているとなんだか気持が軽くなって大丈夫のような気がしてきます。本当は笑えない話かもしれませんが…
 
そんなことを思った1週間でした。テレビを見ていてとても心が痛むし、身近な所でも不便で生活が圧迫される方々の様子を見聞きします。辛い日々ですが、樹や人と触れ合っていると平常心でいられました。スーパーに買い物に行った時は異常でした。
 
ということで、平常心のつもりで地震のことに大きく触れずに淡々とブログを書いていたつもりです。今日の杏仁豆腐の話は書くか悩みましたが、“こんなとき”にもそんなくだらないことを考えてしまう“人間”というのは、なんてしょうがない生き物なんだろうと、笑えたら、図太くもたくましい人間になれるのかなと思いました。
ひとの力が必要となっている時です。情報に流されず、支え合って乗り越えられたらと思っています。
大変なときですが、ふと外の樹をみてみると春の息吹がみえますよ!少し一息、心が落ち着くのではないでしょうか。展示会では、桜や土佐みずき、雪柳などが初々しく花をつけて並んでいます。
ぜひ、展示会にて一息つきにいらしてください。心が落ち着くと思いますよ。