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BONSAIちえ

豆松屋山崎ちえの盆栽日記

盆栽の初心者の方々から多い質問

2014年、『盆栽世界』で連載させていただいた『豆松カフェ通信』。
盆栽カフェを月1回開催し、教室の様子を載せていただいたものです。
その中のコラムで、初心者の方々から寄せられる特に多い質問を書いた『よくあるQ&A』を改めてご紹介します。(2014年盆栽世界6〜7月号)

盆栽の置き場所と水やりについての質問

Q1 盆栽はどこに置いたらいいの?

A  盆栽も自然の樹木と同じですから、
日当たり、風通しの良い屋外に置くのが基本です。

鑑賞するときだけ家の中に入れ、2〜3日を限度にまた外に出してあげます。
地面に直接置くのではなく、台の上に乗せてあげた方が環境は良く、樹も喜びます。

Q2 水やりはどうしたらいいの?

A 原則は「乾いたら水をあげる」です。
表土が乾いたら、鉢の穴から水が出るほどたっぷりとあげます。
毎日の習慣として、樹を見て水やりをするゆとりを意識して持つようにしてください。
目安は、春・秋1日1〜2回、夏は1日3回、冬は2日に1回です(地域や置き場所によって異なります)。

水をあげすぎて枯れることはありません。余分な水は鉢底穴から抜けます。
水やりしていいか迷った時は、とりあえずたっぷりと与えましょう。
目の細かなハス口のジョウロで、雨のようなやさしい水流であげます。
葉が茂ってくると水が根元に届きにくくなるので、四方からたっぷりと根元へかけるようにしましょう。

Q3 水をやり過ぎると枯れる?

A やり過ぎて枯れることはありません。
盆栽の鉢は下に穴が空いているので余分な水は出ていきます。
乾き過ぎると根が傷み、水を吸い上げられなくて樹が弱りますから、水は切らさないことが肝心です。

Q4 仕事で出かけるときは?

A 水もちが良いように、鉢の下に受け皿を置くなどの工夫をします。
その場合は腰水*1くらいにしてやり、1日で乾くくらいの量にしてください。
鉢全体がいつも水の中にあると、土の中に空気がなくなり、根が呼吸できずに弱ってしまいます。
水やりをしながら樹の様子を観察していると、鉢ごとの水もち(乾き具合)が分かってくると思います。

Q5 旅行に出かけるときは?

A 旅行の日数分、水が切れない工夫をします。
大きなたらいに腰水くらいの水を張って盆栽を並べれば1日くらいは十分持ちます。
私は、レジャーシートの小さなプールのようにして、薄く水を張ったこともあります。旅行の前に、同じ日数分水が切れないかを試してみると安心です。
もちろん、家族やお仲間を信頼してお願いするのが一番安心ですね。

盆栽のお手入れについての質問

Q1 盆栽はこのまま何もしなくていいの?

A 季節の変化に合わせ、樹が生長しながら変わってきます。
一般に、春〜秋にかけて芽が伸びたり、葉が増え樹が太ります。
この時期の管理育成次第で樹の姿は良くも悪くも変わります。毎日の水やりをしながら、目が伸びれば切ってやり、肥料が足りなければ置いてやるなど、日々目をかけて手入れすると樹が応えてくれます。

Q2 ずっとほったらかしの盆栽があるのだけれど・・・。

A 長年植え替えていないことや肥料不足が予想されます。
定期的な植え替えを行っていないと、根が鉢内にいっぱいになって水通りが悪くなります。水通りが悪いということは、空気の循環も悪いということ。根が傷み、枝が枯れていき、ついには樹そのものが枯れてしまいます。
水はけの改善をして、根を元気にしてあげることがまず第一。
樹に元気があれば植え替えてやりますが、先に肥料が必要だと思えば、根は切らずに大きめの鉢に入れて水通りを確保した上で肥料を施します。
肥料不足の見極めは、葉の色。黄色っぽい色をしていたら肥料不足です。
樹が元気になれば、新しい芽が吹いたりして作り直すことができる可能性が出てきます。
まずは根を健康な状態にしてあげましょう。

Q3 植え替えは大きな鉢に植え替えればいいの?

A 樹は根をたくさん張れる空間では、どんどん大きくなります。
大きな鉢にしていけば、それだけ樹を大きくしていくことができます。
大きくしたり太らせるための手段として、または水やりの心配がある場合は、鉢が大きい方が水もちが良く安心です。

今の大きさを維持したい場合は、なるべく同じ大きさの鉢で植え替えを行なってください。
根を切り、新しい土を入れることで、新しい根を張る空間を作ってあげるのです。
樹はどうしても少しずつは大きくなりますから、鉢とのバランスが悪くなったらひと回り大きな鉢にしてください。

Q4 芽が伸びてきたらどうしたらいいの?

A 芽は伸びるほど太ります。
伸びている先端を切れば、そこで芽の生長は止まり、他の芽が動くきっかけとなります。
樹は上へ伸びようとしますから、樹の上の方から出る芽は勢いが強く、逆に下の方の芽は弱いです。
全体のバランスを見ながら、上の方の芽はこまめに1〜2節のところで切り、下は3〜4節残すなどしてバランスよく枝を作ってください。

 

他にご質問ある方は、ぜひコメント欄に記載してくださいませ(^^)。

 

*1:腰水(こしみず) 水を張った水盤などに鉢を置き、鉢の底穴から水を吸い上げさせる方法。水の高さが鉢の腰くらいの高さの意味。鉢の足の高さより少し上くらい。